イイヒト
みまからをつくる~みまから工房~
母世代の根性には頭が下がります。私は到底足元にも及びません。
~みまからの製造について~
7月後半~9月前半 日本が一番暑い時期に原材料の「みまから唐辛子」収穫が始まり,同時に製造が始まります。
動力の大型クーラーを設置しているので小さな工房では酷暑の日中でも冷蔵庫のように冷えますが,みまからの製造中はこれでも追いつかないほど過酷な条件になります。
製造したみまからはその日に瓶詰めされ殺菌処理(湯煎)まで行います。灼熱の工房で機械よりも正確な手で一心不乱に唐辛子を輪切りにすることからみまから母たちの仕事は始まります。これまで「やめたい」と聞いたことがありません。『疲れたら休んでいいよ,代わりに私がやっておくから』
周りを思いやることができる工房の母たちは,みまからを支える大切な柱です。
みまからにはたくさんの人の想いと,たくさんの人の努力と,みまからを製造する母たちの無条件の愛がいっぱい詰まっています。
<工程>
①収穫した新鮮なみまから唐辛子を流水で2度洗いする
②検品しながら上ヘタをカットし破棄する
③規格に沿って並べられたみまから唐辛子を包丁で手切りする
※繊維を壊さないよう垂直に輪切りします。機械よりも確実な母の手です。下ヘタは切りのこして破棄します。
④調味
輪切りした唐辛子をごま油で炒る
しんなりしたら,正確に計量された調味料で炒り煮する
最後に鰹節で風味づけする
※大なべのガス釜(強火)で調味しています。調味が始まると工房内の温度が一気に上昇し40度を超えることもあります。この時の調味担当の体感温度はおそらく50度近くだと思います。プラス,唐辛子のカプサイシンが熱されて飛び回るので工房内は灼熱の中息苦しく感じるほどです。
⑤冷却
⑥計量/瓶詰め/検品
※目視確認です
⑦熱処理(殺菌)
※温度計を確認しながら,湯煎による殺菌処理をおこないます。
⑧冷却/検品/ラベル貼
※工房を出て,事務所で手作業によるラベル貼,キャップシールをします。一瓶ずつ瓶の確認もしています。
⑨出荷/保管
※保管する際は製造日ごとに分類しています
(製造期は7名の従業員が工房に入ります)
<工房について>
当店の工房は(事務所も)決して立派ではありません。建物も田舎の畑や民家の中にあります。「こんなところで?」と思われる方がほとんどです。陳腐でみすぼらしい工房ですが,衛生管理には細心の注意を払い,衛生検査を経て工房の許可が下りています。PL保険に加入し,あってはなりませんが万が一何かあればすぐに対応できるようにしています。
「襤褸を着てても心は錦」
立派な工房・工場をつくることが目的ではありません。
町の活性化,お客さまや当店に関わってくれているすべてのみなさまへの恩返しが理念の一つにあります。